練習の取組み方のコラム3【テニス上達コラム】
2017/01/29
前回のコラムでは、『身体の感覚』についてお伝えをさせていただきました。
技術を改善しようとする時に、『できた』『できない』という軸だけではなく、自分の身体の感覚がどうであったかを一つの軸として持つようにしましょう、というご提案でした。
自分だけの感覚は誰のものでもなく、自分だけの絶対的な感覚です。正しい、間違っている、ということは誰にも左右されません。それを一つの軸として持つことで、『できた』『できていない』という評価に左右されない、比較されない自分だけの軸が育っていく、というご提案をさせていただきました。
そして、今回は、『できた』『できない』をまた別の視点から見てみるご提案をしたいと思います。
みなさんは、テニスでも、それ以外のスポーツでもかまいませんが、観戦していたり、テレビで見ていたりして、どんな時に最も興奮するでしょうか?
たとえば、一方的なワンサイドゲームの時は面白いと感じるでしょうか?野球でコールドになりそうな、圧倒的に強いチームと弱いチームが試合をしているシーンに面白みを感じるでしょうか?
おそらく答えはNoでしょう。
一方で、実力が拮抗していて、点を取ったり取られたり、緊迫しているゲームはいかがでしょうか?
きっとそんなゲームこそ面白みを感じ、食い入るように見てしまうと思います。
そして、それは自分が取り組んでいるときも実は同じだと思います。圧倒的に簡単なショットや技術を練習しているとき、あなたはその練習に面白みを感じて、高い集中力で取り組んでいるでしょうか?
答えはNoだと思います。
そうです。つまり『できる』ことばかりを練習しても、おそらくあなたはつまらなくなってしまうのです。
『できない』ことに取り組んで『できる』ようになっていくからこそ、そこにあなたが面白みを感じ、そして成長している実感を感じられます。
自分のくせがあったり、なかなか上達しない技術があったりすると、『できない』『うまくいかない』ことにばかり視点がいってしまいがちです。
ですが、『できない』があるからこそ、『できた』喜びが味わえるのであり、チャレンジングな気持ちでいることができるわけです。
そして、えてして『できない』ことに対して『チャレンジングな気持ち』で立ち向かえると、試行錯誤しているプロセスこそが楽しみを感じてくるでしょう。
『どうやったらできるようになるかな』
『こうしてみたらどうだろうか』
『こうやってみたら、ここが少し良くなった。明日はこうしてみよう』
このような気持ちで取り組んでみたらいかがでしょうか?きっと、うまくいかないことさえも、ウェルカムな気持ちになれるかもしれません。
今回は、『チャレンジングな気持ち』を提案してみました。次回はまたまた別の視点でのご提案をしたいと思います。
(続く)