練習で何倍もうまくなるためのテニスノートのつけかた③
2016/01/20
ポイント『プレースタイルと練習内容をつなげよう』
前回は、プレースタイルや展開の把握について解説しました。
プレースタイルが明確になってきたら、今度は実際にそれを試合で行うために、どういうショットが必要かを、ノート上で考えていきます。
では、前回の私の例を使って考えてみましょう。
色々な局面を想定する(五分五分の状態)
もっとも想定をしたのは、この局面です。
サーブを打った後のボールをバックを狙われ、自分がフォアハンドの展開にもっていけないパターンです。
この③で自分が打ったショットが、相手のフォアハンドに行ってしまうと、こちらが劣勢な状況になってしまいます。
ですので、ここで必要なのは、この③のショットを相手のバックハンドにコントロールして、五分五分の状況を保つことになってきます。
そうすれば、こちらがフォアハンドで回り込むチャンスを伺える状況を作れます。
と、このように考えると、
バックハンドのクロスコートショット(エースを取ったりするほどではないけれども、しっかり相手に回りこまれない程度の精度は持ったもの)
が必要となるわけです。
色々な局面を想定する(優位な状態)
では、次に、自分が少し優位な状態を考えてみましょう。
この展開では、
①サーブ
②リターン
③相手のリターンショットを回りこんで逆クロスへ
④相手のバックハンドショット
⑤相手のバックハンドをさらに回り込み
という状況まで作りました。
ただ、これだけでは、なかなか相手をしっかりと追い込めていません。
ここからさらに追い込んでいくようなショットが必要です。しかもできれば、こちらがミスする確率は低く、しかも相手を追い込んでいくようなショットがあれば、優位に試合を進めることができます。
たとえば、⑤のショットをこのように打てたらいかがでしょうか?
一つは、相手にベースラインより下がらせてバックハンドを打たせる方法です。
この状況を作るために必要なショットは、フォアハンドでムーンボール気味に相手のバックハンド側に打つショットになります。
相手をベースライン後方から打たせることで、相手のミスをする確率も増えますし、バックハンドの高い打点で打つショットは苦手としている人も多いです。
もうひとつは、相手をコート外に追い出して、オープンコートを作るショットです。
この状況を作るために必要なショットは、回りこんだフォアでショートクロス気味のボールを打つことです。
もし、これでオープンコートを作れれば、こちらがかなり優位な展開を作ることができます。
以上のように、色々な局面を想定していくと、
- バックハンドのクロスコート(武器となるほどではなくてもよいが、相手のバックハンドにしっかりとコントロールするくらいの精度のもの)
- フォアハンドの逆クロスへムーンボール気味のボール(速いボールでなくてもよく、相手のバックハンドの高めの打点で打たせられるようなスピン系のボール)
- フォアハンドの逆クロスへショートクロス(相手をコートの外に追い出せるようなショット)
の3つが必要となってきました。
このように試合の局面を想定し、どの局面でどういうショットが必要かを考えながら、練習をすると、練習の効率が何倍にもあがってきます。
練習の場面で、
「このショットがこう打てると、試合のあの局面でこういうふうにポイントを取れる」
とイメージすることができるからです。
それによって、練習での集中力もあがってくるので、技術の習得もさらに加速します。
では、次回でこのショットをどのように練習して、試合で活かしていったのかを解説していきます。