スポーツ上達のための方法「力を入れると力は伝わらない」【元運動音痴のスポーツ上達コラム】
2017/02/14
前回のコラムでは、プロのフォームを『観る』姿勢をもつことで
自分の身体の動きも改善されやすいことをお伝えをさせていただきました。
今回のコラムでは、強い打球を生み出すために、どのように『技』を身につけていくべきかを考えていきたいと思います。
幼少期からテニスをしてきた私は、強いボールを打とうとした時に、とにかく『力強く』ボールを打とうとしてきました。
たとえば、コーチからある練習で、『とにかく強いボールを打とう』とか『打ち込みの練習をしよう』という時には、力いっぱいにラケットを握り、ラケットを振ろうとしていました。
そのようにして取り組んできたのですが、まわりの人はボールが伸びて強いボールを打てているのに、どうしても私のボールは失速していくばかりでした。
そして、なぜそうなるのか、よく分からず、「ならば、もっと力を入れて打とう」と試みていました。
また、ゲームをしている時に、緊迫した場面になると、身体が力んできて、ボールが飛ばなくなり、勢いがなくなり、相手に攻め込まれる、といったことも多々経験してきました。
その時の自分の取組み方を整理すると、ボールを強く打ちたい
→だから、力を入れる
→するとボールが飛ばない
→飛ばないのでさらに力を入れる
となっていました。
また、『力を抜く』ということがどうやら大事らしい、ということは理解し、コーチからも『力を抜いたら』と指摘を受けることもあり、自分がボールがうまく打てないのは、どうやら力が入っているかららしい、ということは理解していったのですが、では、どうやれば力が抜けるのか、ということはよくわかりませんでした。
テニスを始めてから15年くらいずっとその課題と向き合ってきたのですが、練習をしていたある時のことです。
その時は、コーチをしていたので、レッスン数もある程度担当しており、体力的にも気持ち的にも少し疲れていました。
ですので、
『こんなにやってきているのに、なんでうまくいかないんだろう。もういいや。』
とある種投げやりな気持ちでボールを打ち始めました。
すると、今までに無いような感覚でボールを打ち始めることができたのです。まったく適当に、投げやりに振っていて、力は使っていないのに、ボールは飛んでいる、という感じでした。
しかもボールは、力を入れていた時と同じか、あるいはそれ以上に飛んでいて、勢いがついているのです。
はじめは、これまでの考え方『ボールに勢いをつけるには、力を込める』という考え方がベースにあったので、あまり事態をよく理解できませんでした。
ですが、実際に体感として、楽に飛ぶ感覚を感じてしまったので、もしかすると、こちらのほうが正しいのかもしれない、という感覚になっていきました。