練習の取組み方のコラム2【テニス上達コラム】
2017/01/29
前回のコラムでは、『比較』についてお伝えをさせていただきました。
誰かと比べることによって『自分はできていない』という評価を下し、自分への『不信』につながっているのではないか、という内容でした。
今回は、では、この視点をどう転換していけばよいのか、深掘りしていきましょう。
この時に、よくありがちなのは『比べないようにしよう』という解決策の立て方です。
私もそう考えていました。試合ですごく緊張していたときには、『緊張しないようにしよう』と考えていました。
しかし、果たして『緊張しないようにしよう』と考えて、緊張せずにいられるでしょうか?
わたしの場合は、そうはいきませんでした。むしろ、そのことによって緊張が増したりすることさえありました。
つまり、『緊張しないようにしよう』という時点で、すでに『緊張状態』が前提条件として存在することになります。『緊張しないで』いるためには、まず『緊張している状態』が必要なのです。
ではどうするかというと、『緊張している』『緊張していない』という軸とは、まったく別の軸を立てていくことがポイントになってきます。
少し話を整理していきましょう。
課題に取り組んでいく時に心に湧いてくる『できていない』というテーマで考えると、『できた』『できていない』という軸とは、また別の軸を立ててみる、ということでした。
この際に、私がおすすめしたいのは、『体の感覚』をよりどころにすることです。
つまり、『できた』『できていない』という軸は、他人や誰かと比較して出て来る評価軸です。一方で、たとえば『気持ちよく打てた』『気持ちよく打てなかった』という軸は、誰にも評価を下すことはできません。あなたの中での絶対的な感覚です。
その誰にもくだされることのない、自分だけの感覚を一つの軸として持つことで、『できた』『できていない』という評価に左右されない、比較されない自分だけの軸が育っていくことになります。
次回は、『できた』『できていない』について、さらにまた別の視点で考えてみましょう。
(続く)