テクニックコラム『適当に打つ ～エピローグ～ 』【テニス上達コラム】
2017/01/30
前回までで、『適当に打つ』というテーマについてお伝えさせていただきました。
今回はそのエピローグとして、私がコラムでご紹介したとてつもなくボレーが上手な先輩と当時の自分を振り返って、感じることをお伝えしたいな、と思いました。
その先輩は本当にボレーが上手で、当時本当に羨ましい、と感じていました。自分もあんな簡単そうにボールが打てたら、どんなにいいか、と感じ、不公平だと思っていました。
でも冷静に考えてみればその通りで、人はそれぞれ違った体を持って生まれてきます。ある人は運動が得意だし、ある人は頭がいいし、ある人は体力があるかもしれません。
そのため、技術の習得速度も人によってマチマチなのは当たり前のことです。
車に例えるならば、ある人は最初からターボを積んだエンジンを
持っているけれども、ある人は軽自動車のエンジンだったりします。また、ある人はF1のエンジンを積んでいる人もいます。
そうなんです。そもそもスポーツというのは不公平なものなのです。
ある人は最初から体の使い方がうまく、何も考えなくても鋭いボールが打てる人もいれば、ある人はなかなか体の力みが抜けず、一所懸命スイングしても、なかなかボールが飛ばない人もいます。
私も、上手なプレーヤーを見て、『あぁ、自分はなんであんなふうに簡単そうにボールを打てないんだろう』とよく悩み、うらやましい、と思っていました。
今でもそう思う時もあります。でも、今それよりも大切なことは、その不公平を踏まえたうえで、どのように取り組んでいるか、ということのほうがもっと大切だ、と私は考えています。
そして、えてして決して得意でなかったり、才能を与えられていない人が愚直に日々を積み重ねていくことで、ある日圧倒的な成果を出すものです。
心が弱いと、つい、周りの人に目がいきがちです。
『あの人はあんなにサーブが上手でいいなぁ』
『あんなふうに試合上手になれたらなぁ』
『自分も小さい頃からテニスをしていたら、あんなふうになれたのに』
でも、いちばん大切なことは、今あなたがどう取り組んでいるかです。その不公平も乗り越えた上で、今あなたがどう取り組んでいるかで、未来が変わります。
今出ている結果は、過ぎ去った『今』の積み重ねでしかありません。であるならば、『今』を積み重ねていけば、未来は変えられる、ということです。
あなたが、懸命に取り組む姿を私は応援しています。