スポーツ上達のための方法「宮本武蔵に学ぶ道具の使い方」【元運動音痴のスポーツ上達コラム】
2017/02/25
前回のコラムでは、ラケットの力を引き出すことで1+1=2馬力になり、グリップを握ることや手でラケットを操作しようとすると、逆にその力がうまく発揮されない、ということについてお伝えをさせていただきました。
このようにレッスンで『グリップを緩く持ってください』とお伝えすると、『それではラケットが飛んでいってしまうのでは?』と良く言われます。
ですが、実際に緩く持っていただいても、これまでレッスンをしてきて一人としてラケットが飛んでいった方はいらっしゃいません。
体には、自動的に体の動きを制御する仕組みがあります。
テニスを練習していくと、体が自動的にラケットを飛ばないように制御するよう働いていくわけです。
でも、それでもラケットが飛んでいかないか不安なかたのために、ラケットをどう支えれば良いか、お伝えをさせていただきます。
皆さんは、宮本武蔵の『五輪書』はご存知でしょうか?
名前だけはご存知でも、なかなか内容を読んだことは無い方が多いのではないでしょうか?
本屋で手に取ってみるとお分かりになりますが、読んだらすぐに寝れそうな本です。
この五輪書の中に、次のような一節があります。
『太刀のとりやうは大ゆび人指ひとさしを浮ける心にもち、丈高指(中指)はしめずゆるまず、くすし指小指をしむる心にして持つ也。』
つまり、親指人差し指は浮かす気持ちで持ち、中指は絞めすぎず緩めすぎず、薬指と小指で締めるように持つ、と書いてあります。
基本的には、刀は道具の一つなので、ラケット・バット・ゴルフクラブ等も同じ考え方が適用できると考えます。
つまり、刀もいかに身体から生まれた力を刀を通じて発揮していくか、という部分では共通した部分があります。
私も実際に試してみましたが、小指薬指でラケットを持つように意識すると、これまでお伝えしてきたようなラケットの遠心力、重さの力が減速されずに
スイングをすることができます。また、同時にラケットが飛んで行くのでは、という不安もやわらぎます。