『ベイビーステップに学ぶテニス上達法』その3: エーちゃん初試合!
2016/01/20
漫画「ベイビーステップに学ぶテニス上達法』③
エーちゃん、初試合!
練習を重ねて少しずつ、レベルもあがってきたエーちゃん、
初めての試合に出ます。
試合前には、周りの人から色々言われて、自分を見失ってしまいます。
「無様な姿さらすんじゃねーぞ」
「フォーム崩すといけないから、ランニングにしたら?」
「ストレッチしておくべきだ」
等など。。。
はじめての試合のときなんて、何をしたらいいかわからないので、
無理も無いですよね。
そんなときに、タクマが愛のかかと落としをかまします。
「慌てなきゃなんねぇほど、できることなんてねぇだろーが」
この言葉、奥が深いですね。
周りの人が言っているアドバイス、決して間違いではないんですよね。
たしかにストレッチやランニングはしたほうが良いですね。
ただ、大事なことは、この時のエーちゃんが心から正しいと思い、実行できることがなんなのか、ということだと思います。
その時の状況や、選手によって正しいことは異なってきます。そしてだからこそ、選手が心から正しいと思い、できそうなことをすることが、最も選手にとっては正しいことなのだと思います。
そして、タクマは、周りに視点がずれていたエーちゃんを、あるべき視点に一瞬で立ち戻らせてくれました。
最初でリターンエースを取るものの。。。
そんなタクマのおかげで、落ち着いた自分を取り戻したエーちゃんですが、いきなり最初のリターンで練習の成果が出ます。
持ち前の動体視力を活かして、相手の強いサービスに対応していきます。
そして、そのままなんとゲームを取ってしまいます。
しかし、なかなかそうはうまくいきません。
サービスがまだまだ技術不足なエーちゃんは、相手に実力を見破られてしまいます。
エーちゃんの戦うすがた
しかし、ここからが本当に見どころです。
少し弱気になりますが、改めてタクマのアドバイスを思い出します。
「今の俺にできることを全力でやってやる」
そう改めて決意したエーちゃんは、エーちゃんのもっている技術を全て出しきろうともがきます。
コートチェンジの時には、何か自分にできることはないのか、と問います。
そして、なんとかボールを追いかけますが、なかなか相手の生きたボールに対応ができず、どんどんゲームを取られていきます。
そして、1-5になった時に、変化が訪れます。
「一球でも多く返すことだけに集中しよう」
1-5になったとき、エーちゃんは少しでも多くこのコートで闘いたい、という想いから次のように決意します。
「どうせ基本通りのプレーなんてさせてくれないし、とにかくラケットにあててミスする可能性が低い真ん中のみを狙う」
つまり、
「基本通りのプレーができていない」という事実を受け止めた上で、
「自分にできることはなんなのか」を問い詰め、すごくシンプルなことにフォーカスしていきます。
なかなかここまで割り切ったプレーはできないものです。
自分がこれまで積み重ねてきたこと、大事にしてきたこと、そうやって戦おうと決めたこと、をあきらめることはすごく勇気が必要です。
それが自分の自信につながっていたりするものであれば、なおさらです。
だけれども、それを捨てて、シンプルに「ラケットにあててミスする可能性が低い真ん中だけを狙う」ということに集中しだした途端、エーちゃんのプレーが変化します。
相手の動きを高い集中力で見始め、それによって素晴らしい粘りをみせていきます。
何かを捨てた時、何かが得られる
実は、この経験、私にも覚えがあります。
学生当時、怪我をしてしばらくテニスができなかった時間がありました。その時に自分のテニスを振り返り、見つめなおしていました。
その時に行った決断が、
「ボレーには出ない」「バックハンドはスライスだけで戦う」
という決断でした。(シングルスでの闘い方です!)
当時、特に苦手であったボレーとバックハンドのスピンを捨て、それを使わずにどう戦うか、どう他の技術を改善するのかに、フォーカスをした経験があります。
そうすると、自分のやるべきこと、歩む道がはっきりとしてきました。
そしてバックハンドのスライスがそこから飛躍的に向上しました。
ですので、このエーちゃんの戦う姿には、強く共感しますし、このような姿に本当に感動します。
これも詰まるところ、タクマが愛のかかと落としを食らわし、それによって「今俺にできることを全力でやってやる」と決意したエーちゃんだからこそ、できた生き様ですね。