しくじらないためのテニスの取組み方!こんなふうに考えていたら要注意!第20回
2017/01/10
大学生最後の年の大会
前回は、具体的にどのように練習をしていたかをお伝えしました。
これで、うまくいく、という確証もなく練習をしていましたが、少しずつ自分で成長している実感は感じていました。
その日々を毎日、目標となる春の大会に向けて地道に積み重ねていきました。
大会が近くなると、より実戦的な練習や試合を混ぜて、その試合の結果をまたドリルなどで復習して改善していく、というプロセスを重ねていきました。
そして、迎えた大学4年の春の試合です。
大学1年生の時には、1回戦ですぐに負けたトーナメントです。
この時の自分は、「結果はどうなるかわからない。負けるかもしれない。
でも、これまでやってきたことを信じて、とにかく1ポイント1ポイントを積み重ねよう」という気持ちでのぞんでいました。
たしか全部で5回~6回くらい勝ち上がる必要があったと思います。
これまでの練習の成果が発揮でき、逆クロスを中心にしたプレースタイルで勝ち上がっていきました。
そして、準決勝の試合です。相手は他大学の選手で新1年生との試合になりました。
当時私はあまり知らなかったのですが、彼は高校時代にも戦績がある全国レベルのプレーヤーでした。
私が卒業した後には、インカレなどにも出場していたと思います。
忘れもしません。八王子のほうの大学のコートで行われた試合でした。
準々決勝までは8ゲーム選手、準決勝からは3セットマッチだったので、3セットマッチで、2セット取った方が勝ちでした。
最初のセット、最初はこちらが相手のサービスをブレイクしてリードしました。
しかし、その後セットの中盤で相手に自分のサーブをブレイクされてしまいます。
このとき、自分でうまくゲームを運んでいるつもりでも、なかなかうまくポイントが取れないケースがありました。
ですので、当時の自分は、なぜそこで取られたのかあまり整理できていませんでした。
ファーストセットのタイブレークにはいろうとするとき、雨が降り始めました。
相手はもちろん、追い上げている状況なので、流れを止めたくありません。
試合を続行しようとしますが、私はサスペンデッドを要求し、結局雨が強まったこともあり、一時中断になります。
この時の試合会場には、私と同じ大学に新しく入った一年生が一緒でした。
彼は、私よりも上手で、試合での実績も持っていました。
彼と試合の再開を待っている時、彼が
「南部さん、けっこうフォアに回りこまれていますよ」
というアドバイスをくれました。
この言葉で、自分がなぜポイントを取られているのかが理解できました。
自分が思っているよりも、ボールが甘く入り、相手のパターンに持って行かれていたのです。
そして、試合再開に備えて、どこに打たれた時にどう狙うか、どう展開を作っていくかを準備しました。
雨が止み、試合が再開します。
私は、特にボールのコントロールに注意し、相手に回りこまれないように、丁寧に組み立てていくことに集中して取組みました。
すると、着実にポイントを積み重ねていくことができました。
そしてファーストセットのタイブレークをモノにします。
そして、セカンドセットも相手に主導権を取られないまま、マッチポイントは、たしか相手のミスだったと思います。
これまでの試合で、マッチポイントになると、自分はまったく落ち着いてプレーできませんでした。
とにかく早く終わらせたい、という思いが強くなり、打ち急いだり、無理なショットを選択したりしていました。
ですが、この時は
「とにかく目の前の1ポイント、ショットに集中すること」
に徹しようと思っていたので、うまく自分をコントロールすることができました。
こうして、なんとか準々決勝を勝ち残りました。
(続く)