スポーツ上達のための方法「フォームは見るのではなく観る!」【元運動音痴のスポーツ上達コラム】
2017/02/10
前回のコラムでは、『技』の中の真似ることについてお伝えさせていただきました。
テニスに限らず、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどのどんなスポーツでも『フォーム』というのはとても大切になります。
トップアスリートのフォームはとても美しいものであり、見るものを魅了させます。そして、そのフォームと同じようなパフォーマンスをしたいと、真似をします。
この『真似』ということを試みる時に、大事なことは、ただフォームをまねるだけより、さらに大きな効果を狙ってみましょう。
お伝えさせていただきましたとおり、『フォーム』というのは、あくまで身体の内部の力が働いた、その結果として現れているものになります。手や足がボールを打つ前にどこにあり、そして打った後にどこに来ているかは、手や足が動いてその位置に移動しているわけではありません。
たとえば、デンデン太鼓を例にとってみましょう。あの動きを見た時に、糸や玉はそれ自身が動くことによって、太鼓を叩いているわけではないことは一目瞭然だと思います。
別に糸や玉が意志を持っているわけではありません。ですので、デンデン太鼓を叩こうとする時には、動きの中心となる太鼓の軸を回すことを考えることで、うまく糸と玉をまわすことができます。
ですので、フォームをまねるときには、この視点を持ってよく観るようにしてみましょう。ただ『見る』のではなく『観る』ようにしてください。
実際にフォームとして表現されている表側だけではなく、その身体の内部でどのように力が働いているかをのぞきこむような感覚で観るようにしましょう。
そのような視点で観ていくと、最初はどう力が働いているかがよくわからないかもしれませんが、少しずつ身体の感覚としてどう動いているのかを想像を働かせていくうちになんとなく体感していくことができます。
実際に学術的な観点でも、写真や動画を見ているときには、脳がその動いている筋肉に司令を飛ばしている、という研究結果が出ているそうです。
ですが、ただフォームを見るだけでは、これまでの自分の身体の動かし方を身体が覚えているので、これまでと同じような司令の出方になってしまいます。
それをさらに一歩進めて、プロのフォームはどこに司令が出て、どこの力が動いていることによってそのフォームが生み出されているのか、という視点で観るようにしましょう。
そうすると、脳の司令がその選手と同じような司令の飛ばし方を模索し始め、少しずつ身体の動きに変化が生まれていきます。