試合になると緊張して打てない
ポイント『失敗した記憶が不安を呼び起こす』
緊張して試合で入らない
誰しもが試合になるとメンタルが緊張してしまいますよね。
緊張してしまって、普段できることもできなくなってしまったりします。
普段は入るセカンドサービスが試合で入らなかったり、普段は入るラリーでミスをしたり、試合になると、誰もが緊張してしまって、普段通りのプレーがなかなかできないものです。
たとえば、
あなたは、ファーストサービスを打とうとしています。このポイントを失えばブレイクされる、というとても大事なポイントです。
前のポイントが終わってから、あなたは次のポイントがとても大事だということをよくわかっています。そしてだからこそ、このファーストサービスを入れることの大切さもわかっています。
しかし、急にこのサービスが入るかどうか不安になってきました。サービスボックスも小さく見えてきました。身体が固くなってきます。しかし、もう相手は構えています。いつものようにルーティンとして、ボールを下に突こうとしましたが、手元がくるってしまい、ボールを落としてしまいました。さらに焦ります。もう早く終わらせたい、と思い始めます。そしてトスをあげ。。。
とこんな想いを持たれたことはないでしょうか?では、メンタルを鍛えるのはどのようにすればよいのでしょうか?
不安は不安を呼ぶ
イメージトレーニングという言葉をご存じの方もいらっしゃると思います。自分の理想の姿やありたい姿をイメージすると、実際にそのようになる、という考え方です。
一見、素晴らしいメソッドのように思われる方も多いと思います。しかし、実はイメージトレーニングというのは、自分が意識的であっても、無意識であっても、自分がイメージした方向に自分を向かわせるのです。
もう一度、上の描写をご覧になってみてください。
この描写を読んでみると、どこかで「もしかしたら成功しないかもしれない姿」をイメージしていることに気づかれる方もいるかと思います。
そして、その「成功しないかもしれない姿」に向かって、身体が緊張し、こわばっていっているのがお分かりになるでしょう。
成功する姿をイメージすればよいの??
では、答えは簡単!成功する姿をイメージすれば良いんだ!
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、無意識に生まれてくるイメージというのはとても強いものです。
少し想像してみましょう。
先ほどのシーンで、あなたはこのイメージトレーニングのことを思い出します。自分が成功する姿をイメージしようとしています。
果たして、本当に心の底からそのイメージを信じきることができるでしょうか?
私も、イメージトレーニングをしたり、自分の成功する姿をイメージしようとしたことがあります。
ですが、それを繰り返しても、試合での「入らないかもしれない不安」は拭い去ることができず、メンタルは相変わらずのままでした。
本当の姿は自分が一番よくわかっている
さらに少し掘り下げてみましょう。この不安というのはどこから生まれてくるのでしょうか?
実は、不安というのは、過去の体験と紐付けられています。過去に体験した中で、なにか失敗したり、うまくいかなかった記憶が、無意識のうちに呼びだされ、あなたの不安という感情を呼び起こしているのです。
不安は自分自身のこれまでの体験がきっかけとなって、生まれてくるのです。
いかがでしょうか?あなたが不安を持っているショットは、これまでの練習の中で完全に成功してきたと言い切ることができますでしょうか?
つまり、これまでの練習の中で「失敗したことがある」という記憶が、試合での不安につながっているのです。
ここまで問題がクリアになってくれば、あとはもう少しです。
それであれば、「練習で成功した記憶」を積み重ねていくことが、試合でも自信をもってショットを打つメンタルへの近道となります。
10球連続入れる
練習の中で、狙ったゾーンに10球連続入れる練習をしてみましょう。
シーンはあなたが設定していただいて構いません。
たとえば、フォアハンドのシンプルなボールを出してもらい、それをクロスコートのサービスラインより奥に10球連続
という具合にやってみます。
目標を明確にすることと、連続で入れること
ここでのポイントは、目標を明確にすることと、連続で入れる、という課題です。
まず、目標を明確にすることで、『できた』か『できなかったか』が明確になります。そして技術が改善していけば『できた』が増えていくので、成功体験が強く記憶に練りこまれていきます。そうすると、成功するイメージが湧くようになってきます。
そして、テニスのゲームは、「ミスをしたら失点する」というスポーツです。ということは、「できる時もあるけれど、できない時もある」という技術では、試合では使うことはできません。
全てが成功してはじめて点数が取れるのです。そのために、『連続で入れる』というのが必要になってきます。