練習で何倍もうまくなるためのテニスノートのつけかた④
2016/01/20
ポイント『試合で使える個別ショットの練習をする』
前回は、各局面を想定した時に必要となるショットを考えてきました。
では、そのショットをどのように練習していけば、より効率的に、はやくうまくなるのでしょうか?
また、同時に試合でそのショットを使っていけるようなメンタルを養うためにはどのようにすればよいのでしょうか?
まず、前回の私の例で、必要だったショットを確認しましょう。
フォアハンドの逆クロスの展開で勝負を行いたい私には、
- バックハンドのクロスコート(武器となるほどではなくてもよいが、相手のバックハンドにしっかりとコントロールするくらいの精度のもの)
- フォアハンドの逆クロスへムーンボール気味のボール(速いボールでなくてもよく、相手のバックハンドの高めの打点で打たせられるようなスピン系のボール)
- フォアハンドの逆クロスへショートクロス(相手をコートの外に追い出せるようなショット)
が、必要なショットでした。
個別のショットを練習する
まず最初に個別のショットを、シンプルな球出しで練習します。まず負荷のかかっていない簡単な状態のボールを打てなければ、一気にむずかしい練習をしても、なかなか良いプレーはできません。
そのため、まずは、打ちたいショットを個別に打つだけの練習を行います。たとえば、フォアハンドの逆クロスショットやショートクロスショットであれば、次のような形で行います。
四角の人から球出しをしてもらい、それをフォアハンドで回り込んで、三角のコーンを狙って打つようにします。
大事なポイントは、
- 出来る限り、単純でシンプルな状態を作り、そのボールを打つことだけに集中できるメニューにすること
- 必ず的を置き、プレースタイルで考えたショットと同じコースや球種のボールを練習すること
の2点になります。
そして、ここで意識したいのは、『狙い通りのボールが打てたか・打てなかったか』ではなく、『なぜ狙い通りのボールが打てたのか?(あるいは打てなかったか?)』です。
狙い通りのボールが打てないのには、必ず自分に原因があります。たとえば、距離感だったり、打ち方だったりが原因で、狙い通りにいかなくなります。
逆に言えば、自分をコントロールすることで、狙い通りのボールが打てるようになるというわけです。
ですので、なぜ今のショットが狙い通りのボールが打てたのか、あるいは打てなかったか、を考え、改善しながらこの練習をするようにしましょう。
そうすると、徐々に技術は改善していきます。
そして、練習の合間でも考えるようにしますが、練習後にテニスノート上でも、できた理由・できない理由を考えるようにすることで、さらに上達が加速します。
個別のショットにプレッシャーをかける
次に、個別のショットで技術が確立してきたら、今度はプレッシャーをかける状況を作ります。
具体的には次のようにメニューを設定します。
自分が打ちたいコースに、コーンなどを使って、点線の枠のような状態を作ります。
そのうえで、この枠に10球連続で入れることを目標とします。
テニスの試合は、ミスをしたらそこでポイントを失ってしまいます。そのため、素晴らしいショットやラリーで1ポイントを取ったとしても、つぎの1ポイントでミスをしたら、振り出しに戻ってしまうスポーツです。
そのため、『最高何球入るか』という目標の作り方だと、テニスの試合で使える技術やメンタルにはつながりません。
ある時に、20球入っても、次の回に2球でミスをしてはいけないからです。
そのため、この練習の目標は『毎回、10球連続入ること』です。
正直なところ、こういう練習は苦しいです。なぜなら、自分の出来なさ具合をはっきりと認識させられるからです。
毎回10球入らずに、3球や4球で終わってしまうと、自分が下手でダメな人間なのでは、と考えさせられてしまいます。
ただ、少し冷静になってみましょう。これは、実際の試合で出てくる状態であり、メンタルではないでしょうか?
そして、試合で負けてしまった後に自分の未熟さを自覚するのと、練習の時に自覚しておいて、試合までに改善しておくのと、どちらが良いでしょうか?
結論はすでに出ていると思います。
練習のうちに、自分はどれくらいこのショットができているのか、あるいはどれくらいできていないのか、を知っておくことで、それを改善するための道がひらけます。
そして、試合までにまだ時間はあります。あなたの技術はまだ改善することができるのです。
そして、プレッシャーがかかった状況でどれくらい自分の技術が完成しているかを確認し、技術の中でもまだ足りていない部分を確認したら、再度シンプルな球出しでそれを練習するようにします。
そして、改善されたらまたプレッシャーをかける、というように
個別のショットをシンプルな球出しで練習⇔その練習にプレッシャーをかける
のかたちで、繰り返しを行っていき、技術を完成させていきます。
まずは、個別のショットに磨きをかけていく方法を確認しました。次回はこれをさらにゲームに近い形で練習していく方法を解説します。