テクニックコラム『適当にスイングする』
2017/01/29
私が大学生当時の先輩に、ボレーがとてつもなく上手な選手がいました。言葉ではとても伝えられないのですが、ありえない体勢からありえないコースにボールを打てたり、また、ドロップショット等のタッチが尋常ではありませんでした。
その方に『どうやったらボレーがうまくなるんですか?』と聞いた所『適当だよ。適当』と言われました。
正直な所、『えーーーーーっ。適当って!!』と思っていました。
当時は、
『ボールはきちんと打たなければならない』
『一生懸命力を込めてボールを打つべき』
等と考えていたので、とても『適当に』打つことでボレーがうまくいくとは思えませんでした。
ですので、『センスって本当にあるんだな。自分には備わって無くて残念だ』と思ったりしていました。
ですが、最近レッスンでは、『適当でいいんですよ。適当で』と私がお伝えしています。『ボールを打つ時に頑張りすぎない』ともお伝えしています。
当時その先輩の言葉を疑っていた私が、今同じ言葉をお伝えしているのには、あるきっかけがありました。
大学卒業後に、コーチとしてレッスンに明け暮れていた日々がありました。その合間を縫って、自分で打つ感覚を練習したりもしていました。
そんなある時、かなり体は疲れていたのですが、ちょっとでも練習しようと思って自分でボールを落とし打っていた時のことです。
『なんかもう疲れたし。適当にやろう』と思った時がありました。
その時です。今までにない感覚で、軽くボールが飛ぶ感じがしました。
『あれ??』
極端に言えば、それまではボールを打つたびに歯を食いしばるような感覚でしたが、その時は、むしろ逆に気持ち良い感覚さえありました。
(続く)