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『自ら動く』子供に育てるための教え方④

      2016/01/20

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『自ら動く』子供に育てるための教え方④

ポイント『背景をさぐる!』

ここ数回で、技術を改善しようとするときに以下のパターンを整理して考えてきました。
①意識していなくて、できていない。
②意識しているが、できていない。
③意識していて、できている。
④意識しなくても、できている。

そして、前回の投稿では、②のパターンについて、いくつかの検討方法をご紹介させていただきました。

さて、今回は①の『意識していなくて、できていない』パターンを少し掘り下げていきたいと思います。

自ら動く選手になるために

 

掘り下げて行く前に、なぜここまで掘り下げて考えるのかを、少し共有したいと思います。
テニスの試合は、一人で試合を戦わなければなりません。
そこには誰の助けもなく、自分ひとりでこれまで積み重ねてきたものを表現しなくてはなりません。

そして、相手も勝つために必死です。勝負の世界ですので、手加減してくれることなど決してありません。

そのような場では、それまで選手が培ってきたすべてがあらわになります。
もし、表面的におとなしく指導者の言葉に従う選手であったとしても、そのアドバイスが本当に自分の血肉となっていなければ、厳しい局面で自分が信じる技術として表現することは決して叶いません。
そして、指導者として、わたしがいつも留意しているのは、選手にアドバイスを従わせ、おとなしく聞くことを強いたとしても、それは選手のためではなく「自分のアドバイスを聞かせたい」ために行った、自分のための行為であって、選手のためのものにはなっていない、ということです。

たとえば、今回の『意識していなくてできていない』選手に対して、ただ『意識しなさい』と言い、その場で服従させることは簡単です。

その場の練習も問題なく進行するでしょう。
ただ、それでその子の技術は本当に改善していくでしょうか?

そして、いま問題解決しようとしているポイントは、試合までに本当に改善されるでしょうか?
私はこれまでの自分のプレイヤーとしての経験と、教えてきた経験から、その点には強い疑問をもっています。

ですので、服従をさせるのではなく、かといって選手に迎合するわけでもなく、選手の問題に共に立ち向かう姿勢が必要となると考えるに至りました。それがここまで掘り下げて考える理由となります。

なぜ意識できていないのか

 

では、なぜ意識できていないのか、をパターンで整理してみましょう。

大きく3つのパターンに分けることができると思います。

①忘れてしまう
②他のことに問題意識がある
③そもそも。。。

 

①忘れてしまう

 

ひとつめは、『忘れてしまう』パターンです。

えっそんな単純なこと、と言われるかもしれませんが、わりと多いのがこのパターンです。

そして、「そんなの忘れてしまう本人が悪いんだ」という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、一旦そこも踏まえた上で、どう対処していくかを考えてみたいと思います。
一般的にテニスのドリルや練習というのは、何人かのグループで行います。
球出しであれば、自分の番が来て、打って、交代して、後ろに並んで、自分の順番が来たらまた打って、
というかたちでローテンションしますね。

そこで、けっこう多くのプレイヤーが、打ち終わった直後には自分の意識すべき点や、改善しなければならない点を意識しているものの、次の順番が来て打ち始める時には、忘れてしまっているケースが多くあります。

こうなると、

打つ順番が来る

失敗する

意識する

次の順番が来るときには忘れる

打つ順番が来る

失敗する

というループになります。

もちろん、本人が本当に高いモチベーションを持っていれば、意識し続けるという場面もありますが、なかなかそうもいかないのが現実ですし、実際にもしこのループになっている選手がいたら、それをどう改善するかを考えなくてはならないと思います。

この場合、えてして指導者も

選手が打つ

アドバイスする

交代する

他の選手が打っている

さっきの選手が打つ

同じアドバイスをする

という具合になりがちです。

ここで、私が意識しているのは、シンプルですが、「選手が打つ前に、意識するように仕向ける」ことです。

相手のレベルにもよりますが、さきほどアドバイスした点を打つ前にかならず言い添える場合もありますし、もう少しレベルが上って自立を促すならば、選手に自分で言わせる、という場合もあります。

大事だと思うのは、意識しやすい流れを作り、成功しやすい環境を作っていくことだと思っています。

 

②他のことに問題意識がある

 

次のケースは、他のことに問題意識があるパターンです。

これはたとえば、コーチはフォアハンドを改善しようとしているが、本人自体はサービスに問題意識を持っている、等がわかりやすいでしょう。

この場合は、お互いの問題意識についての意見交換などが必要でしょう。

特に私が意識しているのは、

・なぜコーチがそう考えているのか、という筋道を整理して説明する
・その問題点を改善するとどういう未来が待っているか

を伝えることで、コーチが見ている視点と選手が見ている視点が近いものになってきます。

もし選手のレベルがあがってきて、問題設定に対する筋道に対して意見がある場合には、そこでディスカッションが必要となるでしょう。そのうえで、二人で問題設定の共有を図るのがベストだと思います。

③そもそも。。。。

 

本当は②までで終わりにしようかと思ったのですが、本当に深く考えていくと、『そもそも』という論点が出てきます。

ただ、この論点はかなり深いものになってしまいますので、もう少し先にしたいと思います。
選手やお子さんとテニスを通じて関わるなかで、このブログが存在することで、より豊かなものになることを願っています!

 

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