試合で勝つためのメンタル改善法⑦ 『試合の振り返り方(戦略編)』
2016/01/20
試合で勝つためのメンタル改善法⑦『試合の振り返り方(戦略編)』
ポイント『展開を振り返り、日々の練習に落としこむ』
試合に没頭しすぎていると気づけない
私の現役時代、こういうことがありました。
あるジュニア時代から強かった選手と対戦する機会がありまして、当時の私は、フォアハンドを回りこんで逆クロスへラリーをし、そのラリーで優位にたった状態をまず作り、そのうえで、チャンスを伺ってまわりこみストレートへ打つ、という展開を行っていました。
その選手と対戦する際も、同じように戦おうとしており、序盤はある程度うまく試合が運べていたのですが、途中からどうもうまく点が取れないようになっていました。
ただ、自分ではそれまでと同じように戦っているのに、なぜだか点が取れない。
実は、このとき、自分のボール精度が落ちると同時に、相手が私の戦略に対応して、私が相手のバックに狙ったボールをフォアで打たれ、主導権を握られていたのです。
試合中に気づければ修正がかけられますが、そうはいかずに試合が終わってしまうケースもあります。
では、試合が終わった後に、どのように戦略を振り返ればよいのでしょうか?
そもそも作戦はどうだったか?
まず、考えたいのは、そもそも自分がたてた戦略があっていたか、ということです。
それを考えるための視点は、
『自分が試合の時までに培ってきた技術を最大限発揮したか?』
です。
たとえば、どんなにフォアハンドのウィニングショットを練習して、それが効果の高いものになっていたとしても、それを打つ場面を作れていなかったら、意味がありません。
たとえば、私のケースで行くと、フォアハンドで優位に打てる場面を作る前に、無理がある状態でそれを打ったりしていなかったか、が検討課題になります。
意図した作戦ができていたか?
次に検討するのは、試合の最中に意図したパターンで展開ができていたか、という点です。
テニスは相手がいるスポーツですので、自分がこういう展開に持ち込みたいと思っていても、相手がなかなかそうはさせてくれません。
そこに対して、時には我慢をしたり、時には少しリスクを犯してみたりして、出来る限り自分の意図したパターンで試合を運ぶことができたかを振り返りましょう。
意図した作戦は有効だったか?
そして、意図したパターンが展開できていたとしたら、その時のラリーは優位に展開していたかを振り返りましょう。
たとえば、私のように相手のバックを狙って、という展開をする選手だった場合、もしも相手がバックハンドが得意であったら、こういう相手には優位に展開することは難しいでしょう。
うまく自分の意図どおりに展開を運んでいても、それがポイントに結びついていなかったら、なにか改善をしていかなくてはなりません。
足りないものはなにか?
最後に、それを技術に落とし込んでみましょう。
視点は、
・自分の展開ですすめるために足りなかった技術はなにか?
・自分の展開が通用しなかった相手には、どのような展開が必要で、そのためにどのような技術が必要か?
という視点で振り返りましょう。
たとえば私の場合は、フォアハンドを回りこんでいくためには、もし自分のバックに来た時にそれをきちんと相手のバックに返していく技術が必要でした。
また、上で例に上げたように、フォアハンドの回りこみショットが通用しない相手には、また別の展開を用意しておかなくてはなりません。
そのような場合には、いまの持っている技術を活かしつつ、プラスアルファでどのような技術を改善できるか、それをするとどういう展開ができるようになりそうか、ということを考えてみましょう。
最後に具体的な日々の練習や技術にまで落としこむことが最も大事です。
この作業をすることで、日々のシンプルな練習と試合が確実に紐付いていきます。
そうすることで、日々の積み重ねが試合につながる実感が持て、それが意欲にもつながり、高い集中力で日々を送れることにもつながります。