『ベイビーステップに学ぶテニス上達法』その7: マイクのトレーニング
2016/01/20
漫画「ベイビーステップに学ぶテニス上達法』⑦
マイクとのメンタルトレーニング
宮川くんとの試合を終えたエーちゃんは、アメリカから来たマイクコーチにレッスンを受けます。
そこで受けるレッスンは、技術を磨いたりするのものではなく、メンタルがどれだけ試合に影響を与えているかを示すものでした。
ここで、行われたメンタルトレーニングを少し解説していきましょう!!
心がパフォーマンスを左右する
最初にマイクは、ナッチャンと初めて出会った時と、一番調子がいい時のことを思い出すことによって、心がどれだけパフォーマンスに影響を与えているかを教えてくれます。
これは、みなさん実感が湧きますでしょうか?
日常生活に例えるならば、たとえばですが、自分がやりたくないなぁと思っていることや、誰かにやりなさい、と勉強する時と、自分が知りたいことや、興味が有ることを勉強するときでは、まったくパフォーマンスが異なってきますよね?
歴史の登場人物は覚えられなくても、テニスの世界ランキングの選手は覚えられたりとか。
英語の単語は覚えられなくても、ゲームのアイテム名はすぐに覚えたりとか。
自分にも覚えがあるのですが、もし自分が何かに取り組んでいる時に、時々自分がどんなことを考えながらやっているか気にしながらやってみると、面白いことに気づけると思います。
やらされているときは、びっくりするほど色々なことを考えているもので、
「あーおなかすいたな」とか
「はやく終わらないかな」とか
「あ、あれやっておかなくちゃ」とか
本当に色々なことを考えていたりするものです。
試合の時、どんなことを考えてますか?
そして、いい時を思い出すようマイクに言われ、宮川くんとの試合のシーンを思い出すエーちゃんです。
ここで、エーちゃんが選ぶシーンがまたとても良いですね。
ともすると、マッチポイントを取ったシーンとか、結果がわかりやすいシーンを選びたくなりますが、エーちゃんが選んだのは、4-3から4-4にかけてのシーンでした。
このシーンは、エーちゃんのプレーを研究されていたことにエーちゃんが気づき、リスクを取って前に出たシーンでしたね。
恐れを断ち切り、思い切ってリスクを取ったプレーを展開し始めた状況でした。
点数という目に見えやすい結果ではなく、自分が追い込まれた状況から、それを乗り越えるための一歩を踏み出した時のメンタリティを自分のいい時である、と評価したところも、エーちゃんの素晴らしいところだと感じました。
さて、ベイビーステップの中では、エーちゃんのどの試合も魅力的な試合ばかりなのですが、実際自分が試合していると、本当に色々なメンタルの状態がありますよね。
私などは、本当にしょうもない試合もあったので、
「なんでこんな選手に負けてるんだろう」とか
「もしこのまま負けたら、なんて言い訳しよう」とか
「相手がダブルフォルトしてくれないかな」とか
本当に自分のパフォーマンスをさげるようなメンタリティで試合をしていたことも多々ありました。
でも一方で、本当によく振り返ると、そんななかでも時折試合に集中できていたりとか、没頭できている時もありました。
きっと、いい状態というのは、過去の自分の中でよりベストに近い状態を常に思い出しやすくすることによって、さらに高い集中を生み出しやすくなるのだと思います。
点数に例えるのは少し誤解を生むかもしれませんが、例えるならば、いつもは40点~60点の点数の間でプレーをしているとしたら、その平均値を55点~60点の間でプレーをするようにしていると、時折65点や70点が出るようになってくるのだと思います。
そのようにして平均値を引き上げる、ということだと思います。
では、いい状態を思い出しやすくするために、なにか具体的な方法などはあるのでしょうか?
ルーティンに結びつける
私のおすすめは、ルーティンに結びつける方法です。
テニスコーチに習った経験のある方や、本などを読まれている方は、ルーティンという言葉をご存知かもしれませんが、テニス選手がサービス前にボールを突いたり、ガットを直したりし、毎回同じ行動を取ることによってパフォーマンスを高めるための行為のことです。
詳細はこちらをご確認いただけたらと思いますが、このルーティンと、いい状態のメンタルの感情を結びつけておくと、試合中でも思い出しやすくなると思います。
たとえば、エーちゃんのシーンであれば、3-4のコートチェンジのあとのサービスの前に、グリップをぎゅっとしているシーンがあります。
たとえば、必ずこの動作をサービス前に入れる、というのも一つのルーティンだと思います。
決して目に見える必要はなく、自分がわかっていれば良いだけなので、サービス前に一度グリップをぎゅっと握ることによって、良い時の記憶と結びつける、というのも一つの鍵になると思います。
ぜひみなさんも、良いシーンを思い出したら、試合でも実践できるようにルーティンと結びつけてみてください!