しくじらないためのテニスの取組み方!こんなふうに考えていたら要注意!第14回
2017/01/10
がんばっている自分に満足していた
前回は、「結果が出ないことへの言い訳を先に用意していたこと」をお伝えしました。
今回は、疲労骨折をしていた時から気づき始めた、「本来考えるべきこと」と「考えてしまうこと」のもうひとつをお伝えしたいと思います。
自分が疲労骨折をしたことで、「結果が出ないことに対する言い訳」ができて、ほっとしていたのと同時に、もう一つほっとした理由がありました。
それは疲労骨折という大義名分のもと、練習をしなくて済むことに少しほっとしている自分です。
というのも、今振り返ってみると、当時の自分は本当に自分の本心から練習をしていた、というよりかは、『すごくがんばって練習をしている』と言われることに喜びを感じていました。
ずれていた点のもう一つは、練習をしている自分に惚れていたことです。
本来は、練習は試合に出て勝負をしたり、良いパフォーマンスという「目的」を達成するための「手段」でしかありません。
一方で、わたしの場合は、「練習」自体が目的になっていました。
毎日、朝から晩まで練習し、コートに立ち続け、一生懸命がんばっている。
そして周囲からも
『南部は一生懸命がんばっている』
という評価を得る。
そのことが目的になっていました。
思い返せば、ずっとこの考え方を持っていました。
一生懸命やれば、必ず結果が出る、と。
たしかに、一生懸命取り組むことは大事でした。
挑戦しても結果や成果が出るかどうかはわかりません。
でも挑戦しなければ、取り組まなければ結果や成果が出ることはありえません。
私もこの言葉が好きで、練習をしようか迷った時、トレーニングをしようか迷った時には、常に「やる」方を選んできました。
自分では、この決断で「やる」としていさえすれば、結果が出ると思っていました。
でも、今から振り返ると、この決断はあくまで、スタートラインなのだな、と思います。
そもそもこの決断で、「やらない」方を選べば、スタートラインにも立てない、「やる」方を選んだ人だけに、ゴールに向かって歩みを始める一歩目を許されるのだと思います。
たとえば、当時の自分が、
「フォームを矯正するために、素振りを毎日やろう!」
と決断していたとしましょう。
でも、今だからわかりますが、
繰り返しの反復練習は、正しい動作で繰り返すことにこそ、意味があります。
間違った動作で繰り返すと、間違った動作を身体が記憶してしまうのです。
例えていうならば、スタートラインに立って、ゴールは前方向なのに、後ろ向きに走り始めて、一生懸命もがいているようなものです。
こうして、疲労骨折の期間を経て、少しずつ『ずれている自分』に気づき始めました。
ですが、この時はまだ明確に自分の中で意識していたわけではありませんでした。
この疲労骨折が治ったあとに、変化が求められる出来事が起きます。
(続く)